■killer7（PS2/GC）

御主人様、ヤバいです。ヤバすぎます。
このゲーム、MPが殺（ト）られるんですわ。

その昔、シルバー事件を愛する友達が薦めてくれたんだけど
怖そうだなというだけで手を出してなかった本作、今思えばこれは英断。
一人じゃできないゲー。

【現在の総プレイ時間】 推定5時間くらい　「落日」（後編）クリア

ホラージャンルではないし、アクションも決して難しくはない。（すげえ死ぬけど）
更にR18を冠された原因であろうスプラッタ部分はそうでもないんだけど、
調律の狂ったアンビエント、迫り来る『笑う顔』、全く頼れない自分の腕、と
三拍子揃っていては成す術もない、夜中に半べそかきながらやってる私が一番ホラーだ。

半強制スクロールと称しても過言でない拘束された移動システムによって、
プレイヤーは製作者の意図以外の行動を制限される奇怪なデザイン。
初期状態で二種類用意された難易度の内、イージーモードに当たる『敢闘』ではじめたものの、
上記システムの弊害か突如眼前に現れる『笑う顔』に翻弄されて元気に爆死、
定期的に泣きながらボタン連打で蘇生を試みることになる。

そんなわけで、自由を犠牲にしただけあって雰囲気は極上。
8頭身のキャラクターが三次元背景を縦横無尽に走り回るゲームは得てして
現実とのギャップが失笑の種にされるものなんだけど（例：DI以下略）
ハナからリアルを排除したハイコントラストなレンダリングと、
キャラクターにレールを用意し、極力不可解な動きをさせない設計にしたことで、
比較的無理なく（ある種無理矢理）外連味溢れた世界観を観せにきている。
それは「他のメディアでやれよ」なんて発言は許されないかのような説得力。
妙な話、ゲーム性が低いにも関わらずゲーム以外の媒体が思いつかないのだ。
これをセンスと言うのだろうな、まったくもって腹立たしい話だ。

で、この拘束システム。
語弊を恐れずに言えば「他にすることがない」のだが、
作中にはびこる謎という謎が次々と忙殺してくるシナリオでは気にしている余裕はない。
もうこれらが解決しようと謎のままだろうと「なかったことに」だろうと構わないレベル。
正直なところ、立て続けに勃発する理不尽な爆死で既に心折られていて、
一刻でも早くパッドをぶん投げてワタシ負ケマシタワ宣言したいのに
絶妙なストーリーテーリングのせいでそうもいかなくて困る。

そんなシナリオを構築するキャラクターの内、普段は使用できないハーマンがお気に入り。
渋い爺さんが車椅子で対戦車ライフルって実用性度外視にも程があるだろ、大好きです。
「かっこいいだろう！」で埋め尽くされたガジェットが私の心を捉えて止まない。
しかしTwitterで笑う顔の真似してるやつは1秒で縫合するぞ。

というわけで、こんな悪趣味なソフトどうせ誰も買わないだろうし
手放しで全身全力でベタ褒めし尽くし倒した。
ちょっと苦言を呈するならば、正解が絶妙に分かりづらいのが個人的にマイナスかな。
頭を狙えばいいはずが、頭を狙っても失敗する（判定厳しくて当たってない）ってのがあって
あれー頭じゃダメなのかなーと諦めかけたらそれが正解だったという。
配信中のギャラリーにリアルイワザルがいないと詰まったのではと思う程度のヒント。
雰囲気重視だから、あまりハッキリ言われても萎えるんだろうけどね。
あと取説が微妙（PS2版だけ？）　デザインはいいんだけど大事な情報を見落とす。
私「○○できたらなー」　リアザル「え、できるよ」　こんなんばっかや！
『笑う顔』の零距離自爆はもうこういうものだと諦めるしかなさげ。
イージー敢闘でこのありさま、Dがノーマルとして設定した死闘はどれだけ凄惨なのだろう。

ところで何の気ナシにPS2版を購入したのだけど、
GC版の方がロード・グラフィック・R18要素の全てにおいて優位なのね。
PS2版のロードがいつ止まるか不安になる長さなので気になってた。
しかし今更買い変えてやり直す気にもなれない・・難儀。

ちなみに、プレイ後は笑い声の悪夢を見ないようにせがれいじりで浄化しているんだけど、
基本疲れ切って寝るためか、カオスな夢すら見ず気付いたら朝という感じ。
再プレイは初めてなんだけど、killer7とは別ベクトルで雰囲気ゲーだな。
次はコレについて書こうかね、中身無いし書くことも特に無いけど。